神戸大学公益財団法人神戸大学六甲台後援会
理事長ご挨拶定款
事業内容
役員・評議員
資産関係ロイ・スミス館
お知らせ
ご寄付
六甲台後援会だより
理事会・評議員会専用
お問い合わせ

神戸大学
(社)凌霜会
 
 ご挨拶
 

          近況のご報告





公益財団法人
神戸大学六甲台後援会
理事長 高ア 正弘

 
  希望の新元号「令和」を迎え、改めて凌霜会諸兄姉のご健勝を祈念申し上げますと同時に、六甲台後援会に課せられた責務の完遂に向けて関係者一同心を新たにしています。

 さて、昨年7月に「近況のご報告」をさせていただいてから早1年が過ぎようとしていますが、この間、当財団は多くの課題を抱えつつも、皆様方からの温かいご支援・ご協力に支えられその使命を果たすことが出来たと思っています。 厚く御礼申し上げます。

母校におかれても、武田学長を先頭に、「先端研究・文理融合研究で輝く卓越研究大学」の長期ビジョンの下、時代の要請に応えて、種々の大学改革に取り組んでおられることはご承知のとおりであります。
 その中核をなす2016年度にスタートした第3期中期計画も期間の半ばを過ぎ、愈々その成果が問われる段階となり、関係者一丸となってその実現に邁進されています。
  しかし、我が国の高等教育に対する世間の目は益々厳しさを増し、国際的視点から見た現状に対しては、マスコミ等を通じて“日本の大学 痩せる「知」”、“大学「論文の生産性」アジア勢との差拡大”といった厳しい見出しで種々問題提起がなされています。 このような環境下、国においても幅広い議論が行われており、「各大学の特色化」「評価と評価結果の予算案への反映」「大学間連携」と言った言葉がキーワードとして話題になっています。
 これらの課題に対して、教育研究の特色強化や、アンブレラ方式による統合の動きが一部見られますが、短期的な成果中心主義の弊害も巷間囁かれ、大学当局の奮起が前提ではありますが、我々卒業生にも、傍観者に留まることなく共に考え汗を流す姿勢が今一度求められています。
  このような視点から当財団のあるべき姿を洗い出してみますと、設立目的に沿った適切な財団運営と、これを支える組織力・財務力両面の強化であることは論を待ちません。 財団運営に関しましては、昨年12月に約3年ぶりに当局による実地検査が行われ、一部指摘事項もありましたが、対応策を提出しご理解をいただいています。
 片や、財務面の強化につきましては、世界的に膨れあがったマネーの修正に向けた動きなど、グローバルな規模での金融環境の変化が囁かれる一方で、我国のマイナス金利に象徴される厳しい運用環境のなか、資金運用委員会を中心に、健全性と運用果実、この両面を睨みながら種々知恵を絞っているのが現状であります。
 このような厳しい環境下ではありますが、財団正味財産の維持・向上に目配りしつつ、当財団の最大の使命であります母校社会科学系部局の支援を果たすことが出来ていますのも、財団関係者のご尽力に加えて、凌霜会にご縁のある皆様方からの変わらぬご寄付・ご支援によるものであります。改めて厚く御礼申し上げますと同時に、事情ご賢察の上、一層のご協力を宜しくお願い申し上げます。

 当財団ホームページの「設立の経緯」にありますように、昭和29年にスタートした新制神戸大学への国からの予算配分は厳しく、その中核をなす六甲台3部局に対しても、先生方の在外研究の割り当てが3部局合算で1年に1人有るか無いかのような状況にありました 。
 このような状況に危機感を共有した凌霜諸先輩が、先生方の海外での研究を応援することを目的としたご芳志を募り、昭和32年9月、当時の文部省の認可を得て当財団は設立されました。
 今を預かる我々関係者には、この財団創設の精神をしっかりと受け継ぐ一方で、安易な前例踏襲に流れることなく、大学を巡る環境変化に合せて助成事業の絶えざる見直しが強く求められています。

 平成31年度予算では、財団創設50周年を記念して期間10年をメドにスタートした成績優秀在学生を対象とした「社会科学特別奨励賞(凌霜賞)」の一部見直しや、デジタル化の流れのなかでの研究成果出版ニーズの低下を受けて、これら財源を、データー活用環境強化に向けた学術基盤整備等時代の要請に則した分野にシフトするなど、助成事業検討委員会での真剣な議論・方向付けが行われています。
 そのような中で、当財団は昨年活動開始後60年を迎えました。これを機に、財団創設の背景やその後の時代の変化に合わせた諸活動を、平成17年以来今日まで、10年以上、54回の永きに亘って会誌「凌霜」に掲載してきました「(公財)六甲台後援会だより」を、60周年記念事業抜粋集として小冊子に纏め刊行いたしました。
  改めて先人の想いに触れ、貴重な記録の散逸を防ぎ、歴史に学び今後を展望すると同時に、六甲台後援会の存在意義を周知する一助にしたいと考えた次第です。 
  アメリカのさる著名な女性企業家の言葉に、「事業成功の鍵は、その事業の意義を如何に広く世間に周知し、共感を得ることにある」があります。財団関係者間でも共有すべき名言だと思っています。

 申すまでもなく、当財団の活動に終わりはありません。環境変化に則した助成対象事業の適切な見直しとその財源強化の一方で、全学同窓会組織「学友会」を核とした大学支援体制整備と併行して、学部・学科の枠を超えたテーマへの目配りも、今後の重要な課題の一つと考えています。 引続き卒業生の皆様からのお心のこもったご提案・ご助言を宜しくお願い申し上げます。

  これまでも機会ある毎にお伝えしてきましたが、当財団へのご寄付につきましては、当財団が公益法人に認定されていること及び寄付金税額控除法人の要件を充足していることにより、寄付者に対する税法上の優遇措置が認められ、「所得控除」または「税額控除」のいずれか有利な方をご選択いただけるようになっています。
 「税額控除」適用には税法上の高いハードルがありますが、卒業生に加えて教職員の皆様方のご協力も得て厳しい諸条件をクリアし、昨年8月に当局より5年間の継続認定を受け、従来同様の扱いが可能となっています。事務的には、ご寄付いただいた皆様に、領収書を兼ねた税制優遇対象証明書をお送りいたしますので、確定申告に際し是非ご活用いただきたいと存じます。

 課題は数多くありますが、今から約60年前、「神戸大学六甲台後援会」がスタートした当時の諸先輩の母校に対する熱い想いと、60年という長きに亘ってそのバトンを繋いできた関係者の志をバネに、当財団が、社会科学系部局教職員や在学生の皆さんにとって、加えて全学的見地からも、期待に応え得る存在であり続けるよう、関係者一丸となって邁進したいと考えておりますので、変わらぬご鞭撻・ご支援を宜しくお願い申し上げます。

 6月を迎え、六甲台の木々の緑が益々濃淡を輝かせ、その中に佇む「出光佐三記念六甲台講堂」「社会科学系図書館」「六甲台本館」も一段と伝統の重みを漂わせ、水島銕也神戸高商初代校長、田崎慎治旧制神戸商業大学初代学長、日米両国の橋渡しと学生の教育に心血を注がれたロイ・スミス先生の胸像とともに皆様をお待ちしています。 今年もホームカミングディや卒業記念行事等に合わせて、是非母校をお訪ねいただき、在学当時の日々に想いをお寄せ下さいますようご案内申し上げます。

                            完 (令和元年6月吉日)


   
ホーム
公益財団法人 神戸大学六甲台後援会
〒657-0068 神戸市灘区篠原北町4-11-5 / TEL 078-861-3013 / FAX078-861-3013
E-mail:k-koenkai@rokkodaifund.com
Copyright(C) 2007 Kobe University Rokkodai Foundation All rights reserved.